Classici giapponesi con furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Leggi 千世子 (ちよこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 83.104 caratteri · 164 schermate
我ままな千世子は折にふれて年上の人にするらしくない様子もしない事はなかったけれ共Hは自分の心のどこかがそれでも満足し又、それにみせられて居るのを頭ばっかりそだった様な千世子に対しての興味と云う感情のかげにごくさわやかに育って行く感情があるのをHも知り千世子もすかし見て居た。
正月になってすぐHは興津にかえって行った。
千世子は、お正月だお正月だと云ってやたらにさわぎたてる人達や、只口の先だけで「あけまして御目でとう」と云い合って安心して居る人達を嘲った目で見ながら自分では仕度たばっかりのお召のかさねを着て足袋の細いつまさきにはでな裾の華なやかな音に陽気に乱れるのをうれしくないとは思わなかった。
七草頃になってから千世子はすきのない――たるみのない気持になる事が出来た。始めて自分の原稿を灰にした千世子は十枚二十枚となげこまれる紙から立つ焔の焔心の無色のところその次にまだもえきらない赤い焔、そのそとに――一番そとに酸素も思う様にうけてありったけまざりっけなくもえて居るうす青紫の色のかすかな――それで居て熱もあり思いもある焔ばかりが自分の心のそこに集って不純物のない一色の心に焔の上るごとになって行く様に思えた。