Classici giapponesi con furigana
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
Leggi 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.668 caratteri · 164 schermate
それが厭でサ。婆さんが来ても、直に盗みの話に成ると納まらないや。モメて仕様が無い。ホラ、あの話ねえ――段々卜ってみると、盗人が出て来ましたぜ。可恐しいもんだねえ」
隠居の話し振には実に気の面白い、小作人仲間の物識と立てられるだけのことがあった。地主と隠居の間には、台所の方に居る同居人母子のことに就いてこんな話も出た。
「へえ、あれが娘ですか」
「子も有るんでさあね。可哀そうだから置いて遣ろうと言うんですよ。妙に世間では取る……私だって今年六十七です……この年になって、あんな女を入れたなんて言われちゃ、つまらない――そこが口惜しいサ」
「幾歳に成ったって気は同じよ」
御蔭で私もめったに来たことのない屋根の下で、百姓らしい話を聞きながら、時を送った。菎蒻と油揚の馳走に成って、間もなく私はこの隠居の家を辞した。
その十二
路傍の雑草
学校の往還に――すべての物が白雪に掩われている中で――日の映った石垣の間などに春待顔な雑草を見つけることは、私の楽みに成って来た。長い間の冬籠りだ。せめて路傍の草に親しむ。
南向きもしくは西向の桑畠の間を通ると、あの葉の縁だけ紫色な「かなむぐら」