Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちくまがわのスケッチ

千曲川のスケッチ

島崎 藤村

Leggi 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.668 caratteri · 164 schermate

Aozora Bunko

がよく顔を出している。「車花」ともいう。あの車の形した草が生えているような土手の雪間には、必と「青はこべ」も蔓いのたくっている。「青はこべ」は百姓が鶏の雛にくれるものだと学校の小使が言った。石垣の間には、スプゥンの形した紫青色の葉を垂れた「鬼のはばき」や、平べったい肉厚な防寒服を着たような「きしゃ草」なぞもある。蓬の枯れたのや、その他種々な雑草の枯れ死んだ中に、細く短い芝草が緑を保って、半ば黄に、半ば枯々としたのもある。私達が学校のあるあたりから士族屋敷地へかけては水に乏しいので、到るところに細い流を導いてある。その水は学校の門前をも流れている。そこへ行って見ると、青い芝草が残って、他の場所で見るよりは生々としている。

どういう世界の中にこれ等の雑草が顔を出して、中には極く小さな蕾の支度をしているか、それも君に聞いて貰いたい。一月の二十七日あたりから三十一日を越え、二月の六日頃までは、殆んど寒さの絶頂に達した。山の上に住み慣れた私も、ある日は手の指の凍り縮むのを覚え、ある日は風邪のために発熱して、気候の激烈なるに驚かされる。降った雪は北向の屋根や庭に凍って、連日溶くべき気色もない……私は根太の下から土と共に持ち上って来た霜柱の為に戸の閉らなくなった古い部屋を見たことがある。