Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
Leggi 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.668 caratteri · 164 schermate
荷車には屠った豚の股が載せてあった。後で、私はあの人が銀馬鹿だと聞いた。銀馬鹿は黙ってよく働く方の馬鹿だという。この人は又、自分の家屋敷を他に占領されてそれを知らずに働いているともいう。
祭の前夜
春蚕が済む頃は、やがて土地では、祇園祭の季節を迎える。この町で養蚕をしない家は、指折るほどしか無い。寺院の僧侶すらそれを一年の主なる収入に数える。私の家では一度も飼ったことが無いが、それが不思議に聞える位だ。こういう土地だから、暗い蚕棚と、襲うような臭気と、蚕の睡眠と、桑の出来不出来と、ある時は殆んど徹夜で働いている男や女のことを想ってみて貰わなければ、それから後に来る祇園祭の楽しさを君に伝えることが出来ない。
秤を腰に差して麻袋を負ったような人達は、諏訪、松本あたりからこの町へ入込んで来る。旅舎は一時繭買の群で満たされる。そういう手合が、思い思いの旅舎を指して繭の収穫を運んで行く光景も、何となく町々に活気を添えるのである。
二十日ばかりもジメジメと降り続いた天気が、七月の十二日に成って漸く晴れた。霖雨の後の日光は殊にきらめいた。長いこと煙霧に隠れて見えなかった遠い山々まで、桔梗色に顕われた。