Classici giapponesi con furigana
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はんのすけしゅうげん
半之助祝言
山本 周五郎
Leggi 半之助祝言 (はんのすけしゅうげん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.997 caratteri · 44 schermate
菊枝夫人はたじろいで、それから少し気を悪くしたように云った。
「貴方こそからかっていらっしゃる」
「おわかりにならないんですね」半之助は怒ったように、
「――あの威厳と深みと、智、情、意のそなわったこのうえもない美しさ、あれこそ男として典型的な美男ですよ、私は二十六歳の今日まで江戸で育ち、ずいぶん大勢の人に会いました、評判の歌舞伎役者も見ていますが、御城代に比べればどれもこれも、……ああお願いです、どうかよく眼をあいてごらん下さい、世間のばか共はともかく、貴女までがそんなことを仰しゃらないで下さい」
「だって折岩さん」夫人は困惑の微笑をうかべながら、
「――いくらなんでも主人が美男だなんて、……それはあんまり」
半之助は夫人の眼を射抜くように見た。そして少なからず嘲笑的な口ぶりで、
「すると奥さまも世間のばか共と同じなんですか、のっぺりした、女の出来そこないのような、くにゃくにゃしたやつを美男という、……いやらしい、よして下さい、失礼ですが私ははっきり云います、もし本当にそう思っていらっしゃるとしたら、貴女は盲人ですよ」
そして彼は憤然として、あっけにとられている夫人をあとにその部屋を出ていった。