Classici giapponesi con furigana
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はんのすけしゅうげん
半之助祝言
山本 周五郎
Leggi 半之助祝言 (はんのすけしゅうげん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.997 caratteri · 44 schermate
、鳥や魚や虫けらなんぞは毎日もっとたくさん踏み潰されたり叩っ切られたりしていますよ」
「無法なことを云う」図書助は唖然と眼をみはった、
「――大切な領民を魚や虫けらと同一に扱うやつがあるか」
「わかっていますわ、お父さま」
笙子嬢が刺すように口を入れた。
「こちらは、笙子がお邪魔で碁をお打ちになりたくないんです、それでただ用もない話をなすっているだけなんですわ」
「おやおや、お嬢さんまだそこにいらしったんですか」
半之助は初めて令嬢を見て、にこにこと笑って、そうしてごくやさしい声で、幼ない子供を騙すような調子で云いなだめた。
「いまね、お父さまと大事なお話があるんですよ、貴女には興味のない御政治のことでしてね、お父さまもたぶん貴女にはお聞かせしたくないでしょう、ひとつあちらへいらしって下さい、貴女は聞きわけがおありですねえ」
「笙子、あっちへいっておいで」
図書助がそう口を添えた。なぜなら、笙子嬢はさっと蒼くなり、両手をきゅっと拳に握ったからである。……だがむろんはしたなく喚きだすことなどはできない、侮辱に対する怒りと口惜しさで涙がぽろぽろこぼれるのを、袂で押えながら立って、そうして駆け足でこの部屋から出ていった。