Classici giapponesi con furigana
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なんぼくのとうかいどうよつやかいだん
南北の東海道四谷怪談
田中 貢太郎
Leggi 南北の東海道四谷怪談 (なんぼくのとうかいどうよつやかいだん) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.555 caratteri · 34 schermate
伊右衛門はうやうやしかった。
「これは、これは、いつもながら御丁寧に、痛みいります、器物は此方よりお返しいたします」
「かしこまりました」それから懐中から小さな黄ろな紙で包んだ物を出して、「これは、てまえ隠居の家伝でござりまして、血の道の妙薬でござります、どうかお岩さまへ」
伊右衛門はそれを取って戴いた。
「これはお心づけ忝のう存ずる、それでは早速」と云って伴助を見て、「これ、てめえ、白湯をしかけろ」
其の時屏風の中で嬰児の泣く声がした。お槇が耳をたてた。
「おお、ややさま、男の子でござりまするか」
伊右衛門は頷いた。
「さようでござる」
「それはお芽出とうござります、それでは」
お槇の一行が帰って往くと、長兵衛と官蔵がもう樽の口を開け、重詰を出して酒のしたくにかかった。伊右衛門はにんまりした。
「はて、せわしない手あいだのう」
五
伊右衛門は喜兵衛の家から帰って来た。伊右衛門は喜兵衛の家へ礼に往ったところで、たくさんの金を眼の前へ積まれて、一家の者から、
「ぜひとも聟になってくれ」
と云われたので、
「お岩と云う、れっきとした女房があり、それに児まであるから」