Classici giapponesi con furigana
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なんぼくのとうかいどうよつやかいだん
南北の東海道四谷怪談
田中 貢太郎
Leggi 南北の東海道四谷怪談 (なんぼくのとうかいどうよつやかいだん) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.555 caratteri · 34 schermate
それは二目と見られない物凄い顔であった。伊右衛門はさすがに驚いた。
「や、かわった、かわった」
お岩はさっき宅悦が己の顔を見て驚いたと同じように、伊右衛門が驚いたので不思議でたまらなかった。
「私の顔に、何か変わったことでも」
伊右衛門はあわててそれを遮るようにした。
「な、なに、ちょっとの間に、おまえの顔色がよくなったから、やっぱり彼の薬がきいたと見える」
お岩は何かしら不安であった。
「顔色がよくなっても、私はなんだか」と云いかけて、急にしんみりして、「もし私が死んでも、此の子のために当分後妻をもたないように頼みます」
お岩は醜くなった眼に涙を浮べた。伊右衛門はかんで吐き出すように云った。
「後妻か、そりゃ持つさ、一人でいられるものか。おまえが死んだら、すぐ持つつもりじゃ」
「え」
「そんなことは、あたりまえじゃないか」
「まあ、なんと云う薄情な」
「どうせおれは薄情だ、こんな薄情者にいつまでもくっついてないで、佳い男でも持って、親仁の讐を打ってもらうがいいよ」
伊右衛門は今夜喜兵衛がお梅を伴れて来ることになっているので、それまでに何とかしてお岩を追いだすようにしなくてはならなかった。