Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんちしんじゅう

南地心中

泉 鏡花

Leggi 南地心中 (なんちしんじゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.205 caratteri · 79 schermate

Aozora Bunko

打紐にまた脈を打って、紫の血が通うばかり、時に、腕の色ながら、しろじろと鱗が光って、その友染に搦んだなりに懐中から一条の蛇の蜿り出た、思いかけず、ものの凄じい形になった。

「あ、」

と云う声して、手を放すと、蛇の目輝く緑の玉は、光を消して、亀の口に銜えたまま、するするする、と水脚を引いてそのまま底に沈んだのである。

奴はじりじりと後に退った。

お珊は汀にすっくと立った。が、血が留って、俤は瑪瑙の白さを削ったのであった。

この婦が、一念懸けて、すると云うに、誰が何を妨げ得よう。

日も待たず、その翌の日の夕暮時、宝の市へ練出す前に、――丸官が昨夜芝居で振舞った、酒の上の暴虐の負債を果させるため、とあって、――南新地の浪屋の奥二階。金屏風を引繞らした、四海波静に青畳の八畳で、お珊自分に、雌蝶雄蝶の長柄を取って、橘活けた床の間の正面に、美少年の多一と、さて、名はお美津と云う、逢阪の辻、餅屋の娘を、二人並べて据えたのである。

晴の装束は、お珊が金子に飽かして間に合わせた、宝の市の衣裳であった。

まず上席のお美津を謂おう。髪は結いたての水の垂るるような、十六七が潰し島田。