Classici giapponesi con furigana
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なんぽうものがたり
南方物語
小川 未明
Leggi 南方物語 (なんぽうものがたり) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 5065 caratteri · 11 schermate
こうして、いつということなしに、つばめは北方へ飛んでいけば、人間は自分たちを保護してくれるものでこそあれ、けっして害を加えるものでないことを知ったのであります。
夏のおわりになると、つばめは、北から南へと、紫色のつばさをひろげて、帰ってゆきました。
冬のない南方は、まだ真夏であります。湖の水は、銀のごとく、日の光を反射していました。片方は、高いがけになって、ちょうど切り落とされたように、赤い地はだを静かな水の面にうつしていました。
そのがけの半腹に、円いあなをうがって、一家族のつばめは、巣をつくりました。そして、子どもを、あなの中に産みそだてていました。
ある日、親つばめは、そのあなの中から出て、湖水の上を矢のようにかけてゆきました。ちょうど、そのとき、あのしげみに、一羽のかわせみが、しょんぼりとしてたたずんでいたが、頭の上を通りかかるつばめを見ると、急に声をかけて、呼び止めました。
つばめは、何事かと思って、舞い下りると、一本の強そうなあしに止まったのであります。
「どうなさったのですか。」と、快活に、つばめはたずねました。
「弟はどうしたのでしょう、まだ帰ってこないのですが、あなたは、ごらんになりませんでしたか。