Classici giapponesi con furigana
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はるかなたび
原民喜戦後全小説
原 民喜
Leggi 原民喜戦後全小説 (はるかなたび) di 原 民喜 (はらたみき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 60.577 caratteri · 124 schermate
読書
実際、人生に於ては常に教わらねばならぬこまかな事柄があるのに、私はこの齢になって驚かされるのである。
読書
妻はあまり読書家ではなかった。範囲も狭く、好みも偏っていたし、それに病気してからは余程気分がいい時でないと読書しなかった。
「ドルジェル伯の舞踏会」を読んで興奮して熱を出したことがある。チェーホフや、モーパッサンの短篇を好み、シェークスピヤの豊饒さに驚き、健康になったらこれはみんな読んでみたいと云っていた。どうも、読んだ後で鬱屈した気分を解放してくれるものを好んだようだ。
鏡花の「高野聖」の頓智や芥川の「河童」の機智を愛し、里見※(「弓+享」、第3水準1-84-22)の弾むような文体に惹かれ、十和田操を期待していた。それから、堀辰雄のものも読んでいた。
惟うに、機智や諧謔の表面的な面白さより、それを創り出す人間性の逞しさに憧れていたのかもしれない。私はいつかはセルバンテスを読ませたかった。
死ぬる半年程前のこと、妻はプーシキンの「ベールキン物語」を読んでひどく喜んだ。いかにもプーシキンの短篇は病人に読ませていい書だ。私は病人に向く小説というものを考えてみたし、そんなものを書いてみたかった。