Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はんこう
反抗
豊島 与志雄
Leggi 反抗 (はんこう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.121 caratteri · 282 schermate
」
保子は眉根一つ動かさなかった。憎悪の念に凝り固ってるかと思われた。周平はぴょこりとお辞儀をした。そして、立ち上りかけながら云った。
「私は自分を……。」
云いかけて彼は口を噤んだ。じっと眼を見据えてる保子の姿が恐ろしくなった。彼はまたお辞儀をした。一寸待った。そして逃げるように二階の室へ上っていった。
二十一
周平は、一月近く起臥した室に、これを最後の気持で身を投げ出した。明日は永久にこの家から去るつもりだった。そうすることが誰のためにも一番よい方法だと思った。
今迄のことを考えると、真暗な森の中にでも迷い込んだ後のような気がした。何かを見定めようとしても、まとまった象は一つも浮ばなかった。頭がぼんやりして考える力がなかった。
彼は両手を頭の下にあてがって、仰向けに寝転んで天井を眺めていたが、ふと思い出して、身廻りの物を片付け始めた。身廻りの物といっても、二三枚の着物と四五冊の書物だけだった。彼はそれを丁寧に風呂敷に包んだ。そしてぼんやりと坐ってると、風呂敷包みを手にしてこの家から出ていく自分の姿が、まざまざと見えてきた。その姿が首垂れながらとぼとぼと歩いてゆく、宿りを失った旅人のように。