Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

Leggi 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) di 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 257.544 caratteri · 508 schermate

Aozora Bunko

……済まねえのう。

段六 済むも済まねえもねえて。まわり合せだと諦らめるだよ。さあ帰るべ。

仙太 いや、もう少し……、諦らめられねえて。もう少し、もう少し待ってくれ。おら、おら……。

(鳥追と馬方が土手の向うへ下って行き、姿を消す。叩きの物音。そこへ左手から中年過ぎの百姓の女房がフロシキに包んだヘギを抱えてヨロヨロするくらいにあわてて小走りに出て来る)

女房 お! まだ間に合うた。あああ、何てまあ仙衛ムどんなあ! むげえこんだ! むげえこんだてよ! (土手の端まで走って行って仕置場を見下して左右へウロウロ走り廻った末に仙太を認めて)あ、仙さんけ! 兄さんは、まあ何てえ気の毒なことよなあ。

段六 滝さんとこのお神さんですけ。へい、こうなればもうしようありましね。

女房 私あな、もっと早く来ようと思うて急いだなれど、なんしろはあ、秋の不作では、どっこの内でもろくに飯米も残っていねしさ、お取立てが二度も三度もあるんじゃもの、あっちでもこちらでもヒエやアワ食ってんのはまだええ方だち、芋ばかし食っている家が多いざまだであちこち捜し廻ってな、元村の作衛ムどんべに白げた米がやっと五ン合ばかしあったで、お借りもうしてな、大急ぎで炊あて握りままに拵えて来たわな。