Classici giapponesi con furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Leggi 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) di 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 257.544 caratteri · 508 schermate
現在では人の出入は勝手口ばかりからなされているらしい。
舞台右手半分は広土間、左手半分は大炉を切った勝手の板の間。
広土間の奥――舞台正面やや右手寄りに、くぐり戸付きの勝手出入戸。右隅に釜場。板の間の左手は戸棚になっていて昔はそこに台所道具が入れてあったらしいが、いまは下の段は戸が立ててあり上の段には沢山の位牌が並べてあって仏壇に当ててある。戸棚に続いて右手奥に、板の間から納戸部屋、奥の間などに通ずる口が見える。全体ガランと広いばかりで、家財道具はまるでない。
春の日暮れ。子供の泣声。
お妙が、病気の孤児でお咲と云う小さい女の子のむずかって泣くのを背に負うてあやしながら板の間を彼方に行き此方に行きして歩いている。もう余程以前からこれを続けているらしく、お妙自身まで疲れ果て泣き出しそうな顔である。誰がいつ結ってくれたのか田舎島田の根がくずれてガックリしたのを藁シベで少し横っちょにしばってある。からだつきや顔立ちが、やつれたとはいうもののまだ初々しくフックラとしているだけに、あたりの様子や身なりなどから認められる労苦――多数の孤児を抱えての日々の労苦の跡が尚更痛々しく見える。