Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

Leggi 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) di 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 257.544 caratteri · 508 schermate

Aozora Bunko

が、実は――。

加多 フーム、そうか。

甚伍 戦争は戦争で。みすみす勝ち目のねえ駒を差すてえ法はねえ。行っちゃいけねえよ、加多さん!

加多 いや、行く! 行かねばならん!

甚伍 意地か? つまらねえ。そんな小さな意地で、元も子もなくなれば、あとはどうなるんだ? 生かしておけば国の礎ずえにもなろうという立派な人物や若者を何千何百と殺して、それでよいのか?

加多 あとのことを考えるから、われわれは死なねばならんのだ。生きていて、ことを果す者もいる、死んで生きていた以上のことを果す者もいるのだ! 肥料になる者は、死んで腐らねば、その上に生える草木の肥料にはならん。考えてみろ。われわれは、その肥料だ。死んでよいのだ。肥料で悪ければ種だ。種は種としては死んでしまわねば、それから新しい芽は生えて来ぬ。新しい芽のために死ぬのだ。時世御一新のための鬼になって、以て瞑そうというのだ。田丸、藤田その他の諸先輩はどう考えていられるか拙者知らぬ。知る必要も無い。ただ拙者はそう思っているのだ。

甚伍 ……どうあっても行くのか?

加多 拙者一人が行くだけでない。本隊はすでに宍戸あたりまで行ったろう。