Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふるきミニエチュア

古き小画

宮本 百合子

Leggi 古き小画 (ふるきミニエチュア) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 70.298 caratteri · 140 schermate

Aozora Bunko

火かげにかがみ込んで、分配されたそれらの酒や煎餅を賭け、一心に、肱で邪魔な見物をつきのけながら、骰子(さいころ)を転がしている者もある。

ルスタムは、日暮から王の天幕にいた。けれども、彼は何となく四辺の空気になじめず落ちつけない心持がした。上機嫌な王の酔った声をききながらも彼はちらり、ちらりと、夕やけにきらめいていた兜の光を思い出した。それを思い出すと、ルスタムは、妙に見のこして来たものがあるような気持がした。そして、天幕の裡の酒と香の匂いが鼻につき、居心地わるく感じるのであった。

夜が更けるにつれ、段々空気は重く、濁って来た。王も疲れが出たと見え、十文字脚の腰架の上で時々こくり、こくりと居睡りを始めた。ルスタムは、ギーウと低声にぼつぼつ話していたが、それを見るとそっと腰架をずらせて立ち上った。彼は、目顔でギーウに、自分の去ることを示した。そして垂幕をかかげ、王が目醒るのをおそれるように、いそいで天幕を出た。

二十九

一歩外に出ると、ルスタムは、思わず胸一ぱいに息をすい、心からのびのびと伸をした。天幕の中と違い、夜の野天の限りない広さには、すがすがしい、涼しい空気が満ちていた。