Classici giapponesi con furigana
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
Leggi 古寺巡礼 (こじじゅんれい) di 和辻 哲郎 (わつじてつろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.765 caratteri · 285 schermate
弘仁期の気分には素朴ながらにも強いデカダンの香気がある。天平のそれはもっと朗らかに、もっと純粋である。
尼君の血色はまれに見るほど美しかった。お付きの尼僧の話では、朝は四時に起きて、本堂へ出て看経する。「若いお子さんたちは身仕度をして本堂へ歩いて来るまでがまるで夢中で」ある。冬などはすっかりお勤めが済んだころにやっと表が明るくなる。その代わり夜は早い。――あの血色はその賜であろう。
尼君は手箱をあけて、小さい犬ころのおもちゃを取り出し、それを紙にのせて皆の方に押しやった。犬ころは紙の上であと足をはね上げたような格好をして立っていた。指先でつまんだあとが土に残ってそれがそのまま胸になり足になりしている愉快なものだった。
「これをなあお子供衆のお腰に下げておおきやすと奇体に虫除けになりますそうでなあ方々からくれくれ言やはりますので皆あげてしまいましてなあもうこれだけより残っとりませんけれど――どうぞお持ちやして」
これは尼君がつれづれの手細工であった。尼君はこのおまもりの来歴やら造り方やらを話し続けた。その右手の床の間にはガラスの箱に入ったお人形が飾ってあった。