Classici giapponesi con furigana
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
Leggi 古寺巡礼 (こじじゅんれい) di 和辻 哲郎 (わつじてつろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.765 caratteri · 285 schermate
する大らかな結跏の形といい、すべての面と線とから滾々としてつきない美の泉を湧き出させているように思われる。それはわれわれがギリシア彫刻を見て感ずるあの人体の美しさではない。ギリシア彫刻は人間の願望の最高の反映としての理想的な美しさを現わしているが、ここには彼岸の願望を反映する超絶的なある者が人の姿をかりて現われているのである。現世を仮幻とし真実の生をその奥に認める宗教的な心情から、絶対境の具体的な象徴が生まれなくてはならなかったとすれば、このように超人間的な香気を強くするのは避け難いことであったろう。その心持ちはさらに頭部の美において著しい。その顔は瞼の重い、鼻のひろい、輪郭の比較的に不鮮明な、蒙古種独特の骨相を持ってはいるが、しかしその気品と威厳とにおいてはどんな人種の顔にも劣らない。ギリシア人が東方のある民族の顔を評して肉団のごとしと言ったのは、ある点では確かに当たっているかも知れぬが、その肉団からこのような美しさを輝き出させることが可能であるとは彼らも知らなかったであろう。あの頬の奇妙な円さ、豊満な肉の言い難いしまり方、――肉団であるべきはずの顔には、無限の慈悲と聡明と威厳とが浮かび出ているのである。