Classici giapponesi con furigana
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
Leggi 古寺巡礼 (こじじゅんれい) di 和辻 哲郎 (わつじてつろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.765 caratteri · 285 schermate
平安朝初期の名画家百済河成や巨勢金岡は、写実的傾向をもって有名であるが、その写実は恐らく線をもってしたものであろう。もしこの推測が許されるならば、河成・金岡をもって平安朝前半期における日本画の大成者とする観察の裏面には、また彼らをもって日本画の運命を局限した者とする観察も可能である。
水天は壁に掛けられている。卓上にはガラス張りの額にはいった薬師寺の吉祥天女が置かれた。一尺五分に一尺七寸五分という小さい画ではあるが、独立に画としてかかれた天平画のうちの唯一の遺品として、見のがし難いものである。絹よりもずっと目の荒い麻布の上に、濃い絵の具で、少し斜めに向いた豊頬の美人が画かれている。体を包む絢爛な衣は、細い緻密な線と、陰影を現わす巧みなくま取りとで描かれているが、その衣の薄さや柔らかさに至るまで遺憾なく表現し得たといってよい。特に柔らかい肩のあたりの薄い纏衣などはその紗でもあるらしい布地の感じとともに中につつんだ女の肉体の感じをも現わしている。束髪のようにきれいに上げた髪の下の丸々としたその顔もまた精神の美を現わすよりは肉体の美を現わしているというべきであろう。