Classici giapponesi con furigana
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こぼく
古木
豊島 与志雄
Leggi 古木 (こぼく) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.648 caratteri · 24 schermate
」
「伐ってしまったら、あすこが、淋しくなるだろうね。」
「そりゃあ穴があきますよ。その代り、風通しも、日の通りも、ずっとよくなります。あんなに伸び拡がってる大木ですから、取り払ったら、びっくりするほど大きな青空となるでしょう。そのあとに、なにか元気な若木を植えたらどうでしょうか。」
巳之助は黙って眼をつぶりました。やがてまた眼を開いて、ぽつりと言いました。
「お前は、あの木に不満だったようだね。」
「不満じゃありませんよ、むしろ、大木として自慢でした。けれど、少し陰鬱でもありました。」
「陰鬱だって……。」
「蔭が多すぎたし、地面は湿気がちだったんです。木の方にしたって、あんな所では、窮屈だったでしょう。あれほどの大木は、広い野原か山にあるべきではないでしょうか。そんなことを考えると、ここに家を建てたのが、ほんとはよくなかったんですね、あのまわりを広い空地にしておけば、木のためにも、人間のためにも、よかったと思います。」
「うむ、それは面白い意見だ。」
それきり、巳之助はなにか瞑想にでもはいりこんでいったようでした。幹夫は黙って控えていましたが、あまり沈黙が続くので、何気なく言いました。