Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.431 caratteri · 428 schermate
それも、憎いまま母なのにな――だから、みい。おじさんのこの目のうちをよくみい。おじさんはおまえのいじらしい心根に、このとおり泣けているんだぜ……」
いうと同時でした。右門の栃のような涙に合わせて、小娘お静は、うれしかったか、感激したか、わっとばかりにそこへ泣き伏しました。それをいしくもいじらしげな面持ちでしばらく右門は見守っていましたが、はっとしたように気がつくと、振り向いて、くし巻きお由のほうへいったものです。
「そうそう、たいへんな人のいらっしゃいましたことを忘れていましたな。さっき出がけには、まだ二、三日お頼みしなくちゃなるまいかとも思ったものだから、寝言でもさかだちでもご随意のように願っておきましてたっけが、お聞きのとおりの仕儀でござんすからな。あんたのようなべっぴんになにかと長居されりゃ、いろいろと世間のバカがつまらぬうわさをたてやがるから、早いとこ引き取ってもらいますかね」
「まあ! じゃ、だんなはほんとうに、あたしをご用弁にする気じゃござんせんでしたか!」
やや意外のごとき面持ちでしたが、右門はみずからもそれをいうのが涼しいといったような口調で、莞爾とばかりうち笑むと、人の性の善をつきえぐるがごとくに柔らかにお由にいいました。