Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.431 caratteri · 428 schermate
「人間は意気のもんです。あっしの心意気に少しでも見どころがあったら、八丁堀に右門のような者もいたことの記念に、もうつまらない小かせぎは、これっきりおやめなせえな。みりゃ、どこへ突き出したって玉の輿に乗られるご器量じゃござんせんか。だから、あすにでも堅気におなんなすってね、いい赤ちゃんでもお産みなせえよ。おたよりをくださいましたら、またそのとき産着の一枚も贈りましょうわい」
そして、みずから立ち上がりながら、玄関の格子戸をあけてやったものでしたから、なにとてくし巻きお由ばかりが鬼の心をもっていられましょうぞ! ――今ぞ真実心から人の性の善にかえり、悔悟の自責にこらえかねたものか、たもとですすり泣きの涙をおしかくしながら、黙々と重い足どりで表のやみに消えていきました。
そのうしろ姿を右門は会心の面持ちで見送りながら、ふとまた気がついたようにお静のほうを顧みると、やさしくいいました。
「そうそう、まだたいへんなことを一つ忘れていたっけよ。松平伊豆守様がまえからお小間使いをひとりお捜しだったからな。お静坊はあしたにもおじさんが伴って、お屋敷へつれていってあげようよ。