Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.431 caratteri · 428 schermate
肝心なことに、ほんとうに肝心かなめの肝心なことについて気がつかずにいたことが、ふと思い出されたからです。ほかでもなく、それは首――三晩つづけて胸の上にのっかっていたというその生首の実物を、このときにいたるまで、まだ一度も改めずにいたことが思い出されたからでした。訴えてきた以上は、むろんご番所へその実物を提供してあるにちがいないと思われましたので、右門は気がつくと同時に、一刻を争いながら数寄屋橋へ駆けつけました。
と――はたしてあった。三個とも厳重に蝋封を施した箱に入れて、ちゃんとご奉行席のわきに置かれてあったのです。かれはただちに、内見をお奉行神尾元勝に申し入れました。功名はたてておきたいもので、これが普通の与力同心ならば、ごく内密にといったそのことばのてまえ、容易に披見は許されないはずですが、右門の才腕がものをいいました。
「内聞にいたせよ」
そういう注意のもとに、お奉行神尾元勝みずからが蝋封を破ってくれましたものでしたから、右門はひとみをこらしながら、順次に三個の生首へ目をそそぎました。伝六の報告どおり、第一の首はまだうら若い女、第二の首は坊主頭、第三の首は五十を越した老人で、左の片目はこれも報告どおり、一様にえぐりぬかれてあるのです。