Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.431 caratteri · 428 schermate
「ちと必要がござりまして、ご奉行職ご乗用の御用駕籠を二丁ばかりご拝借願いたいものでござりますが、いかがなものでござりましょうか」
「私用ではあるまいな」
「むろん、公用にござります」
「公用とあらば、お上の聞こえもさしつかえあるまい。自由にいたせ」
お許しが出たものでしたから、右門は飛んでかえると、ただちに供の者へ出駕の用意を命じました。ところへ、伝六が命じた御嶽行者の装束を抱きかかえながら、帰ってまいりましたので、右門は即座にその一着を自身にまとい、他の一着を驚き怪しんでいる伝六にまとわせて、すっかり御嶽教の怪行者になりすましてしまうと、定紋打ったる奉行職の御用駕籠にはみずからうち乗り、紋ぬきのご番所駕籠には伝六をうち乗せながら、番町の小田切邸へ――ほがらかな声でそう行き先を命じたものでしたから、伝六はとうとう奇声をあげて、うしろの駕籠から呼びかけました。
「だんな! 気はたしかですかい?」
「しゃべるな、きょう一日は近藤右門が南町奉行、きさまは供の者だ」
まったく、駕籠だけの外観を見た者はだれしもそう解釈したいいでたちで――行くほどにやがて近まってまいりましたものは小田切久之進の陰気な屋敷。