Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.431 caratteri · 428 schermate
けれども、亭主は事件は知ってはいたが、その下手人についてはさらに心当たりがないというのです。町人が上がったころにどんなお客が二階へ上がっていたかも記憶がないというので、伝六の探索を延ばしたほうも同様に手がかりは皆無でした。わずかに残された探索として希望をつなぎうるものは、事件の前後に受け持ちとして出ていった小婢があるばかり――。
で、さっそくにその婢を呼んで、むっつり屋の右門がきわめていろけのないことばつきで、当時のもようをきき正しました。と――手がかりらしいものがわずかに一つあがったのです。それは一個の駒でありました。馬の駒ではない将棋の駒で、それも王将。婢のいうには、あの町人の三百両紛失事件が降ってわいたそのあとに、右の将棋の駒がおっこちていたというのでありました。巨細によく調べてみると、まず第一に目についたものは、相当使い古したものらしいにかかわらず、少しの手あかも見えないで、ぴかぴかと手入れのいいみがきがかけられてあったことでした。それから、材料は上等の桑の木で、彫りはむろん漆彫り、しりをかえしてみると『凌英』という二字が見えるのです。
「凌英とな……聞いたような名まえだな」