Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.431 caratteri · 428 schermate
とすると、むろん下手人の身についていた移り香で、ただ一度それをつかんだだけでもこんなにかおりの強く乗り移ったところを見れば、よほど高価な香ということが推察できたものでしたから、もう一度丹念にかいでいると、まさにそのときでした。
「くせ者じゃッ。くせ者じゃッ。例のやつめがこちらにも押し入りましてござりますゆえ、お早くお出会いめされい!」
不意にまた二、三軒向こうの屋敷の中から、やみをついてそう呼び叫ぶ声がありました。まだこちらの始末がつききらないうちでしたから、居合わした警固の面々のいまさらのごとくに二度青ざめたのはいうまでもないことでしたが、伝六もぎょっとなって、血相変えながら警固の面々のあとを追おうとしましたので、すばやくそれを認めた右門が、おちついた声でうしろから呼びとめました。
「まてッ」
「だって、逃げちまうじゃござんせんか!」
「どじだな。今から追っかけていったって、おめえたちの手にかかるしろものじゃねえんだよ。こっちを騒がしておいて、そのすきに隣へ押し入る大胆な手口だけだって、相手の一筋なわじゃねえしろものってことがわかりそうなものじゃねえか。