Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 221.941 caratteri · 435 schermate
出入り口はこうし戸のままであるのに、家の内はまっくらにあかりが消されて、人けもないもののごとくにひっそり閑と静まり返っていたものでしたから、あわて者の伝六がたちまちうろたえて、おかまいなく大声をあげました。
「ちくしょうッ、ひと足先にずらかりましたぜ! 早く眼をつけて、夜通しあとを追っかけましょうよ! 河童なんぞにあのべっぴんをあやからしちゃ、気がもめるじゃござんせんか」
「うるせえ! 声をたてるな!」
「でも、まごまごしてりゃ、遠くへ逐電しちまうじゃござんせんか!」
「あわてなくともいいんだよ。あそこの物干しざおにぶらさがっているしろものをよくみろ。源氏のみ旗が、しずくをたらしているじゃねえか。川へもぐってぬれたやつを、いましがた干したばかりにちげえねえんだッ」
まことにいつもながら名人の観察は一分のすきもない理詰めです。高飛びしたものであったら、あとへわざわざ下帯などを洗いすすいで宵干ししておく酔狂者はないはずでしたので、ちゅうちょなく中へ押し入りました。
しかし、それと同時! ――はいっていった三人の鼻をプンと強く打ったものは、まさしく血のにおいです。