Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

Leggi 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 221.941 caratteri · 435 schermate

Aozora Bunko

「ご新造さまにお番をお願い申すのでござります」

「そうか。では、手すすぎを持ってまいれ」

職に忠にして、なおその分を忘れず、まことに右門はあくまでも右門でした。葵のご紋はなくとも、将軍家ご秘蔵の品とあらば、将軍家おんみずからにお触れするも同然でしたので、十兵衛にすすぎの清め水を運ばせると、懐紙を出して口中の息をふせぎながら、うやうやしくそれなるお箱を取りあげました。

しかるに、いかほど精細に見調べてみても、なんらの不審な点がないのです。ないとしたら、この品を預かって、この倉の張り番をして、みずから帳場に監視の役を行なっていると称した番頭十兵衛に、当然のごとく疑雲が深まりましたので、烱々と鋭くその身辺に、名人独特のなにものも見のがさないあの目を見そそいでいるとき――あいきょう者がこれはまた珍しや、いつになくもったいらしい顔つきをしながら、小陰へ手招くと、ものものしく声をひそめてそっとささやきました。

「ご新造が、だんなにないしょでちょっとお目にかかりたいと申しておりますぜ」

「なに? 用はなんじゃと申した」

「あの野郎のことで、お耳へ入れたい話があると、こういうんですよ」