Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 221.941 caratteri · 435 schermate
と――、待つ間ほどなく、おりから雲を割った豆名月の銀光を浴びながら、あたりをはばかるように忍び近づいてきた者は、いかさま水茶屋者とおぼしき十七、八の小娘です。
「だんな、だんな! 上玉ですよ! 上玉ですよ! ね! どうです。しゃくにさわるほどあだ者じゃござんせんか」
「ほどを知らねえやつだな。口をきくなといっておいたじゃねえか。静かにしろ!」
「でも、やけにべっぴんなんだからね。出すまいと思っても、ついひとりでに音が出てしまうんですよ」
「うるせえな。聞こえて玉に逃げられたら、また手数がかかるじゃねえか。いらざるときにむだ音を出すな」
小声でしかりしかり様子をうかがっていると、女はそれとも知らずに、土蔵の陰へ回りながら、それがいつもの合い図であるとみえて、軽い呼び出しのせき払いをいたしました。と同時で、果然番頭十兵衛がそわそわしながら姿を見せると、何やらささやき合っていた様子でしたが、きょろきょろあたりを見まわし見まわし、女ともども月影を避けるようにして、小急ぎに向こう横町へ出ていきましたので、疑惑はさらに数倍。
「気づかれぬよう、あとつけろ」
善光寺辰というちょうほうな生きぢょうちんがあるところへ、月光は降るばかりでしたので、主従は一町ほど間隔を置きながら、足音殺してふたりのあとを尾行いたしました。