Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 221.941 caratteri · 435 schermate
は例のおしゃべり屋伝六です。おりからの夕なぎに、品川あたり一帯の海面は、まこと文字どおり一望千里、ところどころ真帆片帆を絵のように浮かべて、きららかな金波銀波をいろどりながら、いとなごやかに初夏の情景を添えていたものでしたから、そこには伊豆守様をはじめ、お歴々がお控えなさっているというのに、場所がらもわきまえず、たちまちお株を始めました。
「ちぇッ。なんともかともたまらねえ景色じゃござんせんか。死んだおふくろに、いっぺんこのながめを見せてやりたかったね。目と鼻のおひざもとに住んでいながら、おやじめがごうつくばりで、ただの一度も遠出をさせなかったんで、おっちぬまでいっぺん海を見て死にてえと口ぐせにいってましたっけが、今度のお盆にゃ位牌を抱いてきて、しみじみ拝ましてやるかね」
「バカッ」
「えッ?」
「おめでたいお出迎えに来ているというのに、死ぬの、位牌のと、不吉なことを口にするな」
「そうですか。じゃ、おめでたいことを申しますが、ねえ、だんな、あそこの茶店の前の目ざるに入れてある房州がにゃ、とてもうまそうじゃござんせんか。ご用が済んだら十ばかりあがなってけえって、晩のお惣菜にかに酢でもこしれえますかね」