Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Leggi 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.105 caratteri · 337 schermate

Aozora Bunko

まごまごしねえで、ついてきなよ」

「まごまごしているのは、あっしじゃねえですよ。ばかばかしい。だんなこそまごまごして、どこへ行くんですかよ。そんなところは出口じゃねえんです。木魚ですよ。外へ出るなら、ここをこう曲がって、こっちへ出るんですよ」

どこに出口があるか、どっちへ道が曲がっているか、霧の中をでも歩くようなこころもちで、名人はしんしんと考えこんだままでした。

不思議は不思議につづき、ぶきみはぶきみにつづいて、しかも血のなぞは、いよいよ深い迷霧の中へはいってしまったのです。

家族以外の者……? いや断じてそんなはずはない。丹念にあのとき調べたとおり、外からあの二階へはいりうる足場は皆無でした。家人の目をくらまして押し入ったら格別、でないかぎりは、どうあっても岡三庵一家のものにちがいないのです。しかし、その家族のものは、宵のあの裏返しでためしたとおり、書生、代診、母親、女中、だれひとりそれと疑わしい顔いろさえ変えたものもないのでした。わずかにひとりあった娘の千萩は、血をたらすどころか、生き血を吸いたがるとんだ長虫を飼っていたのです。あのときあんなに震えたのは、その秘密を知られたくないために、われしらずおびえたにちがいないのです。