Classici giapponesi con furigana
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よしわらしんわ
吉原新話
泉 鏡花
Leggi 吉原新話 (よしわらしんわ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.157 caratteri · 75 schermate
生憎……ッても可笑いんですが、ざらある人魂だって、自分で見た事はありませんでね。怪い光物といっては、鼠が啣え出した鱈の切身が、台所でぽたぽたと黄色く光ったのを見て吃驚したくらいなものです。お話にはなりません。
けれども、嬉しがって一人で聞かしてばかり頂いていたんでは、余り勝手過ぎます。申訳が無いようですから、詰らない事ですが、一つ、お話し申しましょうか。
日の暮合いに、今日、現に、此家へ参ります途中でした。」
九
「可恐い事、ちょっと、可恐くって。」
と例の美しい若い声が身近に聞えて、ぞっとするように袖を窄めた気勢がある。
「私に附着いていらっしゃい。」と蘭子が傍で、香水の優しい薫。
「いや、下らないんですよ、」
と、慌てたように民弥は急いで断って、
「ちと薄気味でも悪いようだと、御愛嬌になるんだけれど……何にも彼にも、一向要領を得ないんです、……時にだね、三輪ちゃん。」
とちと更まって呼んだ時に、皆が目を灌ぐと、どの灯か、仏壇に消忘れたようなのが幽に入って、スーと民弥のその居直った姿を映す。……これは生帷の五ツ紋に、白麻の襟を襲ねて、袴を着でいた。