Classici giapponesi con furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Leggi 名人地獄 (めいじんじごく) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.286 caratteri · 301 schermate
家斉はここで厭な顔をした。
「で、さすがの大海賊も、処刑されたのでございますな」
「ところが」と家斉は声をひそめ、「それがそうでないのだよ」
「それは不思議でございますな」これは碩翁にも意外であった。
「もっとも訴訟の面では、処刑されたことになっている」
「では、事実は異いますので」
「きゃつは今でも生きている筈だ」
「とんと合点がいきませんな」
「というのは外でもない。命乞いをした人間がある」
「しかし、さような大海賊を。……」いよいよ碩翁には意外であった。
「いや、さような海賊なればこそ、命乞いをしたのだよ」
「とんと合点がいきませんな」
「とまれきゃつは生きている筈だ」
文庫から出した秘密状
「恐ろしいことでございますな」
「ただし南洋にいる筈だ。いや、いなければならない筈だ」
「ははあ、南洋にでございますか」
「国内に置いては危険だからな」
「申すまでもございません」
「しかるにきゃつめ、最近に至って、日本へ帰って来たらしい」
「どうしてお解りでございますな」
「赤い格子に黒い船……こういう唄がはやっているからよ。……それにこの頃犬吠付近で、よく荷船が襲われるそうだ」
「それは事実でございます」