Classici giapponesi con furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Leggi 名人地獄 (めいじんじごく) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.286 caratteri · 301 schermate
「それはそうでございましょうな」
次郎吉はじっと考え込んだ。
「オイ和泉屋」と宗俊は、にわかにマジメな顔をしたが、「気をつけろよ気をつけろよ。あいつのことだ、じき帰って来よう。そうしたらやっぱりこれまで通り、お前をつけて廻そうぜ。あの細川の下屋敷以来、お前は睨まれているんだからな」
「ほんとに迷惑というものだ」次郎吉は変に薄笑いをしたが、「人もあろうに私のことを、鼠小僧だっていうんですからね」
「そいつあどうともいわれねえ」宗俊も変に薄笑いをし、「鼠小僧だっていいじゃねえか。俺ア鼠小僧が大好きだ。腐るほど持っている金持ちの金を、ふんだくるなあ悪かあねえよ」
「ほんとに迷惑というものだ」パチリと頬を叩いたが、「この片頬の切り傷だって、あの爺に付けられたんでさあ」
「あれはたしか五年前だったな」
「ほんとに迷惑というものだ」
「ところがことしの秋口から、鼠小僧は影をかくし、代りに出たのが評判の鼓賊、オイ和泉屋、玻璃窓はな、その鼓賊と鼠小僧を、同じ人間だといってるぜ」
「ふふん、どうだって構うものか。私の知ったことじゃねえ」
「おおそうか、それもいいだろう。が宗俊は苦労人だ。