Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Leggi 名人地獄 (めいじんじごく) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.286 caratteri · 301 schermate

Aozora Bunko

「もうよろしい」といったかと思うと、武士は図面を巻き納めた。と、居住居を正したが、にわかに声を低目にし、「正直にいえ、職人ではあるまい」

「くどいお方でございますな」平八は多少ムッとしたが「なにを証拠にそんなことを。……わっちは船大工でございますよ」

「そうか」というとその武士は、平八の右手をムズと掴んだ。

「これは乱暴、なにをなされます」

ご禁制の二千石船

不意に驚いた平八が、引っ込めようとするその手先を、武士は内側へグイと捻った。逆手というのではなかったので、苦痛も痛みも感じなかったが、なんともいえない神妙の呼吸は、平八をして抗わせなかった。

「さて、掌だ、ここを見ろ!」いうと一緒に侍は、小指の付け根へ指をやったが、「よいか、ここは坤という。中指の付け根ここは離だ。ええと、それから人差し指の付け根、ここを称して巽という。ところで大工の鉋ダコだが、必ずこの辺へ出来なければならない。しかるにお前の掌を見るに、そんなものの気振りもない。これ疑いの第一だ。それに反して母指の内側、人差し指の内側へかけて、一面にタコが出来ている。これ竹刀を永く使い、剣の道にいそしんだ証拠だ。