Classici giapponesi con furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Leggi 名人地獄 (めいじんじごく) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.286 caratteri · 301 schermate
……が、まずそれはよいとして、ここに不思議なタコがある。と、いうのは三筋の脉、天地人の三脉に添って、巽の位置から乾の位置まで斜めにタコが出来ている。さあ、このタコはどうして出来た?」武士はニヤリと一笑したが、「お前、捕り縄を習ったな! アッハハハ、驚くな驚くな、すこし注意をしさえしたら、こんなことぐらい誰にでも解る。……さて次にお前の足だが、心持ち内側へ曲がっている。そうしてふくらはぎに馬擦れがある。これ馬術に堪能の証拠だ。ところで、捕り縄の心得があり、しかも馬術に堪能とあっては、自ら職分が知れるではないか。これ、お前は与力だろうがな! いや、しかし年からいうと、今は役目を退いている筈だ。……与力あがりの楽隠居。これだこれだこれに相違ない! どうだ大将、一言もあるまいがな」
武士は哄然と笑ったものである。
「おい」と武士はまたいった。「変装をしてどこへ行くな? しかも大工のみなりをして。いやそれとてこのおれには、おおかた見当がついている。そこでお前へ訊くことがある、いま見せてやった図面の船、何石ぐらいかあたりがつくかな?」
「へえ」といったが平八には、その見当がつかなかった。