Classici giapponesi con furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Leggi 名人地獄 (めいじんじごく) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.286 caratteri · 301 schermate
一人、こいつさえ退治たらこっちのもの、ヤレヤレヤレ! ワッワッワッ」と、四方八方から襲いかかった。
が、武士の精妙の剣技たるや、ほとんど類を絶したもので、人間業とは見えなかった。まず帆柱を背に取ったのは、後ろを襲われない用心であった。握った丸太はいつも上段で、じっと敵を睥睨した。静かなること水の如く、動かざること山の如しといおうか、漣ほどの微動もない。と、ゆっくり幾呼吸、ジリジリ逼る賊の群を一間あまり引きつけて置いて、「カッ」と一声喉的破裂、もうその時には彼の体は敵勢の中へ飛び込んでいた。ピューッという風鳴りの音! 丸太が斜めに振られたのであった。生死は知らずバタバタと、三人あまり倒れたらしい。「エイ」という引き気合い! まことに軟らかに掛けられた時には、彼のからだは以前の場所に、以前と同じに立っていた。と、ワッと閧を上げ、バラバラと逃げる賊の後を、ただ冷然と見るばかり、無謀に追っかけて行こうとはしない。帆柱を背に不動の姿勢、そうして獲物は頭上高く、やや斜めにかざされていた。と、また懲りずにムラムラと、海賊どもが集まって来た。それを充分引きつけておいて、ふたたび喉的破裂の音、「カッ」