Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なごやすけっち

名古屋スケッチ

小酒井 不木

Leggi 名古屋スケッチ (なごやすけっち) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5676 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

切売りといふ、現実の血腥いやうな感じをそゝられるだけである。

汽車の煤煙で化粧された名古屋駅近くの明治橋を渡つて、一直線に単線電車を凡そ十五分ほど乗ると、大門へ着くのだが、少し威勢のよい足なみで突き進むとやがて田圃へ出てしまつて、検黴病院のいかめしい建物が、目に痛いほどの寂しさを与へる。歌川広重の『新吉原』は、さびしさそのものではあるが、なほ且つその底には、伝統的な一種の言ふに言へぬ甘い情調がかくされて居るけれど、中村遊郭には、そんな気分など、薬にしたくもないのである。

不景気の影響を受けてか、昨今のさびれ方は甚だしいものだが、これはあながち、不景気の影響ばかりではないやうである。その証拠には、前にも述べたごとく、遊郭内のダンス・ホールの繁昌でもわかる。要するに、このやうな遊郭は、もう、新時代には適せぬのだ。いつそ、懐古趣味を発揮させようとするならば、うちかけを着せて張店を出すがよい。張店といへば、昨年一時そんな噂がひろがつて、政治問題とされたことがある。筆者は公娼存置にも、張店にも賛成だけれど、遊郭そのものゝ改良は、早晩行ふべきだと思つてゐる。