Classici giapponesi con furigana
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りんしょくしんのやど
吝嗇神の宿
Leggi 吝嗇神の宿 (りんしょくしんのやど) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8082 caratteri · 17 schermate
「気だての悪い女じゃないんだが、どういうわけかオメエが気に入らねえらしいや。今日のところは我慢してくれろよ」
とドロボー氏が小声であやまった。
「そんなに気が弱くて、よくあの商売がつとまるねえ」
シシド君、ありがとうとも云わずにカツをつまんでムシャ/\やりながら、こう云ったから、ドロボー君は気を悪くして、白い眼でジッと睨みつけて戻ってきた。
四合ビンを手ジャクでグビリ/\やりだしたが、なんとなくヤケ酒の切なさだ。
「なア、オタツ。お前だけはオレを裏切りやしねえだろうな」
「何を云ってんだよ、この人は。私はお前に首ったけなんだよ。ほかの男はアブに見えるんだったら」
「そうかなア。それにしちア、水くさいな」
「なにがさ」
「お前、さっきの千円札のオツリ返さねえじゃないか」
「アレエ。ほかにお金がいらないと思っているのかい」
「それはそれで月々渡してやるじゃないか。今晩のお酒を買うために特別に落したお金だから、オツリを出しな」
「チョイト、お前さん。男は一度だしたお金をケチケチするもんじゃないよ」
「オレは男じゃねえよ。な、そうだろう。お前はあの三畳の野郎なんぞが、オレよりもよッぽど男に見えるだろう。