Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わせいつばきひめ

和製椿姫

大倉 燁子

Leggi 和製椿姫 (わせいつばきひめ) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9221 caratteri · 19 schermate

Aozora Bunko

ところが、実はお恥しいがこの邸も持ちきれなくなったような状態なので、彼女の希望するような生活は出来ない、それが第一不平だったんですね。内緒で、昔馴染の男へ訴えたらしいんですよ。不愉快な話じゃありませんか、たしかに二三度手紙の往復をしている」と唇を噛んだ。

「相手の男はわからないんでしょうね?」

「分っています。実に怪しからん奴で、僕はまだ会ったことはないのだが、美耶子を自分が引取って世話をしたいなんて、無体な生意気な手紙をよこしたんです」と云って、彼は次の間にたって、抽斗を開けたり閉めたりしていたが、二三通の手紙を掴んで戻って来た。彼は震える手で封筒から中味を引き出して読み上げた。

「美耶子さんの御近況を聞くにつけ、僕はお気の毒で黙ってみているに忍びないんです。是非、僕の手にお返し下さい。どのみち全快の希望がないものならばせめて最後の幾月なり数日かなりを、心ゆくまで楽しく送らせて上げたいのです――。などと、日名子さん、実に呆れた男ではありませんか。美耶子をまるで自分のものででもあるような事を、云ってるんですから、非常識にもほどがある、気狂いですよ、この男は――」