Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うたのたてやましんじゅういっきょく

唄立山心中一曲

泉 鏡花

Leggi 唄立山心中一曲 (うたのたてやましんじゅういっきょく) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.835 caratteri · 61 schermate

Aozora Bunko

)

(でも、先刻、この電信が参りました時、何ですか、お顔の色が……)

(……故障のためですよ、青天井の煤払は下さりませんからな、は、は。)

と笑った。

坂をするすると這上る、蝙蝠か、穴熊のようなのが、衝と近く来ると、海軍帽を被ったが、形は郵便の配達夫――高等二年ぐらいな可愛い顔の少年が、ちゃんと恭しく礼をした。

(ああ、ちょうどいま繋った。)

(どうした故障でございますか。)

と切口上で、さも心配をしたらしい。たのもしいじゃあございませんか。

(網掛場の先の処だ、烏を蛇が捲いたなりで、電線に引搦って死んでいたんだよ。烏が引啣えて飛ぼうとしたんだろう……可なり大な重い蛇だから、飛切れないで鋼線に留った処を、電流で殺されたんだ。ぶら下った奴は、下から波を打って鎌首をもたげたなりに、黒焦になっていた――君、急いでくれ給え、約四時間延着だ。)

(はっ。)

と云って行くのを、

(ああ、時さん。)

とお道さんは沈んで呼んだ。が、寂しい笑顔を向け直して、

(配達さん――どこへ……)と訊いた。

少年が正しく立停まって、畳んだ用紙を真すぐに視て、

(狼温泉――双葉館方……村上縫子……)