Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おしのようじょ

唖の妖女

田中 貢太郎

Leggi 唖の妖女 (おしのようじょ) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1236 caratteri · 3 schermate

Aozora Bunko

家の者が驚いて見ているとどこからともなしに越後縮の浴衣と洋傘が飛んで来た。と、竹竿の一つはその浴衣を著、一つは洋傘をさして歩いた。

又某日のこと、兼五郎は隣家の下駄屋から鍬を借りて来て、使用した後で縁先へ立てかけて置くと、間もなく下駄屋の主人が取りに来たので、返そうと思って縁先へ往ってみると、置いたばかりの鍬がもうなかった。どこへ往ったろうと思って、血眼になって捜していると、突然その鍬や縁の下からひょこりと頭を出した。

「おや、こんな処に」

兼五郎は腰を屈めて取ろうとすると、鍬は忽ち引込んでしまった。暫くして又頭を出したので取ろうとすると、又ひょいと引込んで往って取れなかった。そして、その中にとうとうどこへか往ってしまった。

ところが、兼五郎の家に唖娘がいて、そんな時の紛失物の所在を能く知っているので、その時前へ来た唖娘に手真似で訊ねたところで、唖娘は畑の前方へ指をさした。そこで往って見ると、果して鍬が草むらの中から出て来た。

又某時、兼五郎の家へ近所の女が来て、台所口で兼五郎の女房と話していると、突然裾がまくれあがった。近所の女は悲鳴をあげて両手で裾をしっかと押えたが、着物はますますまくれあがっておりなかった。