Classici giapponesi con furigana
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よんじゅうはちにんめ
四十八人目
森田 草平
Leggi 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) di 森田 草平 (もりたそうへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.183 caratteri · 112 schermate
「いやなに」と、安兵衛はしずかに言った。「浪人すれば、永い間にはそんな気にもなりましょう。どうせ吾々を見限って一列を脱けた人だ、追及するにも当るまい」
「じゃと申して、吾々の面目にも――」
「だからまあ、金のことはあまり言わぬようにいたしたい。吾々にあってもあまり役に立たぬもの、これから先生き延びる人にはなくてならぬものだからな。はははは」
「そういえば、そんなものでもござろうか、あはははは」と、勘平もいっしょになって笑ってしまった。
小平太は最初庄左衛門が脱盟したと知った時、ほとんどその訳が分らなかった。ああいう一徹な父親を持っている上に、平生からずいぶん口幅ったいことも言っていた男が、この期に及んで逐電する! 彼にはどうしてもありうべからざることのように思われた。が、その一面においては、どういうものか、先を越されたというような気もした。自分ではまだ遁亡しようとも何とも思っていなかった。けれども、心のどこかで、やっぱりそういう気のしたことだけは争われない。そして、庄左衛門が満座の中で諸士から罵倒されるのを聞いていた時、まあまあ自分でなくってよかったというような安心を覚えた。