Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

よっかのあやめ

四日のあやめ

山本 周五郎

Leggi 四日のあやめ (よっかのあやめ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.200 caratteri · 38 schermate

Aozora Bunko

「同じことだ、――どうする」

「もちろん断わった」

「やめないというのか」

千世が茶を持って、入って来ようとした。

「茶は要らない」と重三郎が云った、「そこを閉めて向うへいっていてくれ」

千世は良人を見て、それから襖を閉めて去った。

「やめないというのか」と重三郎は主税介を見た、「こんなに世評が喧しくなり、精明館では誰も稽古を受けないというのに、それでも師範の席にかじりついているというのか」

「精明館師範の役は殿から仰せつけられたものだ」と主税介は答えた、「殿から解任されるか、正当な理由のない限り、この役を勤めるのは私の義務だと思う」

「わかった」と重三郎は云った、「これでもう聞くことはない、千世を伴れて帰るから離別してくれ」

主税介は不審そうな眼をし、それから「そうか」というふうに唇で微笑した。

「ばかなことを云うな」

「こっちはばかどころじゃないんだ」と重三郎は云った、「おれは五大を信じていた、世間がなんといおうと、五大主税介は卑怯なまねをする男ではないと信じていた、だがおれは事実を聞いた、深松伴六からじかに聞いたんだ、あの朝早く、深松自身が此処へ知らせに来たという、刻限は六時、場所は籠崎大洲とはっきり云ったというぞ」