Classici giapponesi con furigana
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トソンラン
土城廊
金 史良
Leggi 土城廊 (トソンラン) di 金 史良 (きむさりゃん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.752 caratteri · 52 schermate
「戦争の稽古だで」先達はやるせなさそうに呟いた。
徳一老人は長竹(煙管)を地べたの石ころに二三度ふり叩いた。赤い火花が弾け飛んだ。
「昔あここも戦場だった。土城一面に兵士共の死体がごろごろしとったよ。え、怖ろしいこってねえか、全く、それも甲午乱(日清戦役)のこったけにもう五十年も近うなるだ……」
不意に先達の婦がエイッチェと嚏をした。吃男はそれには目もやらずに又いきなり火でも燃え附いたようにはね起きた。
「わ、わっしあ、その時に清、清兵共に家さ焼かれただ。兄弟もお袋も殺されやがった。……呪われ奴。一体わ、わっしに何の罪があるんだ。わっしあやっと生き伸びた……だが、わ、わっしあ、もう生きていられねえんだ……凡てが墓場だ、墓場よ!」
「何をそんげに騒ぐだよ」先達はとうとうしびれを切らして金切声を上げた。
「いんや、わ、わっしあ騒ぐだ。騒がねえでどんげするだ!」吃男は口に一杯泡を含んで首を滅茶苦茶に振った。
「すっかり気違えになりやがった……」
先達がそう忌々しそうに呟いたので、一同は仕方なさそうにわらった。だが吃男は偏屈にも厳かな昂奮にとらわれていた。恰も何か目に見えない怖ろしい力に駆り立てられてでもいるように。