Classici giapponesi con furigana
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トソンラン
土城廊
金 史良
Leggi 土城廊 (トソンラン) di 金 史良 (きむさりゃん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.752 caratteri · 52 schermate
三
彼はみなの者に笑われたと思うと尚一層怒りっぽくなり、荒々しく座を蹴って立ち上った。そして何かぶつくさ呟きつつ振り返り下りて行ったが、つと立ち止って向き返ったと見ると目を怒らして、
「へん畜生」と叫んだ。「わ、わっしを莫迦にしてるだ!」
婦は子を抱えたまま鴉の巣のような頭をこっくりしつつまどろんでいた。二つ三つ咽ぶように深い息を吸い込んだりする。牛糞みたいな乳房が垂れ下がり、黝ずんだ裳の裾から両足はぐんなりと投げ出され、その肩は滑かな弧を描いていた。時々子供が泣きぼやくので、馬のように長い顔をしかめて婦は頭を振った。
「ちぇ、仕様のねえ餓鬼だよ」
元三爺は彼女の寝呆け姿を何かに取り憑かれたように、火のような目でじっと見入っていた。舌をべろべろ舐めずり廻したが、脣がひどく乾いていた。
月はもう大分傾いている。ポプラの葉が金色にさらさらとひらめいていた。
「三日月があねえに赤色じゃきっとひでえ大雨だで……」
徳一老人が呟いた。一同は今更のように月を眺めたが誰一人口を切るものはいなかった。
三
土城廊はひどい暴風雨に襲われていた。
元三の小屋から呶鳴るような歌声がちぎれちぎれに響いて来る。