Classici giapponesi con furigana
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トソンラン
土城廊
金 史良
Leggi 土城廊 (トソンラン) di 金 史良 (きむさりゃん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.752 caratteri · 52 schermate
そして頬、額に転々して遂に目元まで飛んで行くのだ。
「酒をあおる所かえ?」と先達は金切声を上げた。「手前こそひき蛙みてえにぶくぶく酒でもあおって斃りやがるがええ」
そしてとたんに何かを投げ附けようとした。
それで元三はほうほうの態で逃げ出した。だが、婦は這いずるようについて出て来た。その後姿を見射る先達の手はわなわなふるえていたのである。
牛公よ
ママ――
クーリヨ
イーイーイツ、クリヨー
歌い終るや元三爺は汗みずくになった首筋を手でふきながらにやっと笑った。
「偉え六カ敷いでな。そりゃわっしの嬶ったらうめえ歌いもんだったよ」嬶という言葉を口にしてみただけでも爺はうれしいのだ。「あいつのいねえことを考えりゃ悲しくてならねえ……」
「お前さんの嬶は今何処にいたっけなあ」中風症のためにぶるぶるふるえる手で酒の盃を取りつつ、徳一老人は調子を附ける。
「きっと売っちまっただよ」
例の跛は意地悪く嘴を入れた。婦はぷっと吹き出した。
「とんでもねえ」と元三は目をむいた。「あいつあ疫病で斃ったちゅうて何度も云ったでねえかよ」
「ほう」
「そうだとも、う、餓鬼も三人一緒だで、可愛い奴でわっしの後嗣だったにな。