Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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トソンラン

土城廊

金 史良

Leggi 土城廊 (トソンラン) di 金 史良 (きむさりゃん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.752 caratteri · 52 schermate

Aozora Bunko

先達は見附かりはせぬかという怖れと激しい自己嫌悪のために穴にでもはいりたい位に苦しかった。だがどうしたものか赭ら顔の男に看破られ腕を捉えられたとき、彼は全く咄嗟に男を拳で突き飛ばしたのだ。それと同時に二人は組み打ちをして倒れ、みなのものは押しかけて喚き罵り喊声を挙げた。

それでも炳吉が逸早く駆けつけて制止したのでこの格闘は難なく収まり、気性の強い先達には、その実それという負傷もなかった。だが炳吉に体を支えられて立ち上った時、先達は急に悲しみがこみ上がってならなかった。顔を激しくしかめ歯を食いしばったが、熱い涙が口元へ流れ落ちた。

先達はよろめきよろめき踏板を上って行った。今日はどうあっても稼がねばならない。

「担がしてくれ!」と彼は云った。

男達は驚いたが、先達のただならない気配に怖れて黙って彼にも背負わした。彼はよろけた。果してそれは驚くべき程の膂力であった。額に大きな汗をにじませ今に息も絶え兼ねまじい苦しい表情で、一歩一歩と踏板を下りて行くのだ。このように自分も一人前の働きをしていると皆に思わせたかったのであろうか。背骨はぞくぞくと罅割れるようで足元はぐらつき始めた。