Classici giapponesi con furigana
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トソンラン
土城廊
金 史良
Leggi 土城廊 (トソンラン) di 金 史良 (きむさりゃん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.752 caratteri · 52 schermate
そこで自分の云ったことが炳吉の云った言葉より確かに三倍は長いのに違いないと考えていよいよ爺は心を強くした。
こごんだまま唖のように先達の惨死を弔っていた徳一老人は、急にどこかずきんずきん痛み出したように顔をしかめた。そして歯を食いしばって中風症の足を組みかえると、鳴らない先の古時計みたいに暫くじりじりしてから云う。
「みんなどんげした因果だか」
婦は無理に押しこらえようと大きく息をふーと吐いた。けれどその後から再び痙攣的な慟哭がつづいた。
土城の上には救護隊が現われて赤い旗を振り廻していた。
「橋の方へ行くんだ。土城が潰れるぞ! 早く逃げろう!」
土幕の人達は方々から相ついで土城の上へ登って行った。水葬になった方がよっぽどましだと思うものの、やはり列をなして石橋の方へ歩いて行くのだった。唯鉄鎖のように生命が彼等を引きずるのである。先達の小屋の近所を通りながら、土幕民達は婦が盛んに哀哭しているのを聞いた。
跛乞食は片足を重そうに引きずりつつ独りごとを呪うように呟き呟きしていた。
「お終えだ……お終えだ……お終えだ」
土城の向うの方では銅鑼のような狂女の嗄れ声が駆け廻っていた。