Classici giapponesi con furigana
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もぐらとらくばん
土鼠と落盤
黒島 伝治
Leggi 土鼠と落盤 (もぐらとらくばん) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.823 caratteri · 36 schermate
市三は、罪人のようにいつまでも暗いところで小さく悄げこんでいた。
「何だい、おじ/\すんなよ。」
「うむ。」
「あいつはえらばってみたいんだ。何だい、あんな奴が。」
髪がのびると特別じゝむさく見える柴田が、弟をすかすように、市三の肩に手を持って来た。
「あン畜生、一つ斜坑にでも叩きこんでやるか!」十番坑の入口の暗いところから、たび/\の憤怒を押えつけて来たらしい声がした。
「そうだ、そうだ、やれ/\。」
その時、奥の方で、ハッパが連続的に爆発する物凄い音響が轟いた。砕かれた岩が、ついそこらへまで飛んで来るけはいがした。押し出される空気が、サッと速力のある風になって流れ出た。つゞいて、煙硝くさい、煙のたまが、渦を捲いて濛々と湧き出て来た。
三
井村は、タエに、眼で合図をして、何気ない風に九番坑に這入った。
「いイ、いイ。」
彼女の黒い眼は答えていた。
ハッパが爆発したあと、彼等は、煙が大方出てしまうまで一時間ほど、ほかで待たなければならない。九番坑の途中に、斜坑が上に這い上って七百尺の横坑に通じている。彼は、突き出た岩で頭を打たないように用心しながら、その斜坑を這い上った。